2026.10.20
management
部下に大きな仕事を任せる覚悟は、失敗は当たり前と会社で決める
部下に大きな仕事を任せたい。けれども、うまくいかなかったときの責任を思うと、手が止まる。経営者や人事の担当者なら、一度は経験する場面です。この記事は、任せる覚悟を個人の気合いに頼らず、会社としてどう決めるかに答えます。
結論は2つです。失敗は当たり前だと会社として先に決めること。そして任せる前に、部下のことを紙に書き出して、どれだけ知っているかを確かめることです。弊社(株式会社ストリックランド)は京都市に拠点を置き、人を技術に合わせず、技術をその会社の感覚や文化に合わせる考え方で仕事をしています。人の育て方も同じ向きで考えており、2026年10月時点の考え方として書きます。
任せる育て方で見るのは何か
若手に大きな仕事を任せ、進め方まで自分で決めさせる育て方があります。
ここで大事なのは、大失敗をさせることではありません。見るのは、自分で決めて進めたからこそ出会う、小さなつまずきです。
- 人に言われたとおりに進めた仕事
- 迷う場面が少ない
- つまずいても、指示を出した人のせいにしやすい
- 自分で決めて進めた仕事
- 決めた理由を自分で説明する必要がある
- つまずきが、そのまま本人の学びになる
小さなつまずきは、任せなければ起きません。育てたいのであれば、起きる前提で仕事を渡すことになります。起きたつまずきを本人が自分の言葉で説明できれば、次はもっと大きな仕事を渡せます。
失敗は当たり前と会社で決める
覚悟を現場の上司ひとりに背負わせると、上司は守りに入ります。任せた仕事を細かく確認し、結局は自分で決めてしまいます。これでは、任せたことになりません。
そこで、会社として決めておくのは次の内容です。
任せた仕事で小さな失敗が出ることは、想定の内だと経営と人事が認め、上司の評価を下げる材料にはしません。失敗した本人は責めるのではなく、何を決めたかを一緒に振り返ります。次の仕事の大きさを下げるかどうかは、その振り返りのあとで決めます。
これを文書にして、上司全員が読める場所に置きます。口約束にすると、忙しい時期に忘れられます。
経営と人事が決めること
覚悟は気持ちの話に見えますが、会社が決められる項目に分けられます。
経営が決めるのは、どの範囲の仕事までなら失敗しても会社が引き受けられるか、という点です。引き受けられない範囲は、最初から任せません。人事が決めるのは、任せた仕事の結果を評価にどう入れるかと、失敗を隠さず話した人が損をしない仕組みです。
範囲を先に決めておくと、「大きな仕事」の意味がそろいます。上司ごとに大きさの感覚が違うと、任された側が困ります。
明日、部下1人について書き出す
任せる前にできる、いちばん小さな作業があります。明日、部下を1人選び、紙に次の3つを書きます。その人の経歴、その人がやりたいこと、その人に伸ばしてほしい力です。
書けない項目があれば、まだその人を知らないということです。任せる以前に、話を聞く時間が足りていません。
知らない相手に大きな仕事を渡すと、失敗したときに原因が分かりません。仕事が難しかったのか、本人の経験が足りなかったのか、見分けがつかないからです。書き出しは、覚悟を決める前の確認として役に立ちます。
任せたあとの関わり方
渡したあとに、上司がすることも決めておきます。
- 仕事を渡すときに、決めてよい範囲と、相談してほしい場面を言葉にする
- 途中では、進み具合を聞くだけにとどめ、やり方には口を出さない
- つまずきが出たら、本人に「何を決めたか」を話してもらう
- 終わったあとに、次に任せる仕事の大きさを一緒に決める
2番が難しいところです。口を出したくなったときは、会社の決まりに戻ります。小さな失敗は想定の内だと、すでに決めてあるからです。
生成AIの導入にも同じ考え方が使える
AIを会社に入れる場面でも、同じことが起きます。担当者に任せたのに、上司が結果を細かく直してしまい、担当者が育たない形です。導入の進め方は、生成AI導入で失敗する会社の共通点と、会社としての防ぎ方で整理しています。最初の3か月の区切り方は、中小企業の生成AI導入は最初の3か月を月ごとに分けて決めるにあります。
AIの導入で任せる範囲を決めたい場合は、弊社に相談する方法もあります。ただし、先に社内で「失敗は当たり前」と決めておくほうが、相談の中身も具体的になります。

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