2026.10.11
management
中小企業の生成AI導入は最初の3か月を月ごとに分けて決める
中小企業が生成AIを導入するときは、最初の3か月を「1か月目に範囲を決める」「2か月目に小さく試す」「3か月目に続けるかを決める」の順で進めます。株式会社ストリックランドの考えでは、先に決めるのはツール名ではなくて、会社としての約束事です。この記事では、2026年10月時点で弊社が整理している進め方を、月ごとに「決めること」と「やること」に分けて説明します。
生成AIとは、文章や要約を作ってくれるAIのことです。ChatGPT や Claude がその例です。
1か月目は何を決めて、何をするか
1か月目は、使い始める前の準備に使います。ここで決めないと、2か月目に社員ごとに別々の使い方が始まります。
決めること
- 何のために使うのか。たとえば、見積書の下書きにかかる手間を減らす、などの業務名で書く
- 誰が責任者か。経営者か、部門の責任者か
- 入れてはいけない情報は何か。顧客の個人情報、取引先との契約書など
やること
- 責任者を1人決め、社内に知らせる
- 使ってよいAIのサービスを、最初は1つか2つに絞る
- 入力してはいけない情報を、紙1枚に書き出す
入力してはいけない情報の書き方は、社内生成AIガイドラインの作り方。A4一枚で足りる理由で詳しく説明しています。1か月目は完璧な規則を作る時期ではありません。A4で1枚の決まりがあれば十分です。
2か月目は何を決めて、何をするか
2か月目は、決めた範囲の中で小さく試す期間です。全社員ではなくて、少人数で始めます。
決めること
- 試す業務は何か。1つか2つに絞る
- 試す人は誰か。AIに前向きな人を数名選ぶ
- 試した結果を、誰がどう記録するか
やること
- 試す人に、使い方を一緒に確かめる場を1回つくる
- うまくいった指示の文と、失敗した例を、同じ場所に残す
- 約束事に合わない使い方が出たら、その場で1か月目の紙を直す
ここで大事なのは、AIに何を任せるかを人の意識ではなくて設定で決めることです。弊社の運用では、AIのアカウントは下書きを作ることと読むことだけができます。投稿のボタンは人が押します。
3か月目は何を決めて、何をするか
3か月目は、続けるか、広げるか、やめるかを決める月です。ここで初めて結果を見て判断します。
決めること
- 続けるか。続けるなら、誰の業務に広げるか
- 広げるとき、社内の資料をAIに読ませるか
- やめる条件は何か。たとえば、約束事が守られない、手間が減らない、など
やること
- 試した人から話を聞き、手間が減ったかを本人の言葉で確かめる
- 費用を見直す。1人あたりの月額と、使われた回数を並べる
- 次の3か月で広げる範囲を、責任者が1枚にまとめる
社内の資料を読ませる場合は、先に決めることがいくつかあります。中小企業が社内AIアシスタントを入れる前に決める3つのことに整理しました。
3か月で決めきれないときはどうするか
決めきれない項目があっても、導入を止める必要はありません。次の3か月に持ち越す項目を、紙に書いて残します。
- 持ち越す項目には、決める人と期限をつける
- 約束事に関わる項目だけは、持ち越さずに3か月目で決める
自社だけで進めるのが難しいときは、外部の相談先を使う方法もあります。弊社には、月10万円(税別)の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクがあります。月2回の定例が30分、オンラインで行われます。使うかどうかは、3か月目に必要な項目を見てから決めれば足ります。
よくある質問
最初の3か月に、ツールの比較は必要ですか。
最初は、比較に時間をかけすぎないほうがよいです。1か月目に1つか2つに絞り、2か月目に実際の業務で試します。比べるのは、使った後で十分です。
社員全員に一度に使わせてもよいですか。
おすすめしません。約束事が固まる前に全員が使い始めると、入れてはいけない情報が入る危険が増えます。まず少人数で試し、直してから広げます。
3か月たっても効果が見えないときは、どうしますか。
やめる条件を、1か月目に決めておくことが前提です。条件に当てはまるなら、いったん止めて、業務の選び方を見直します。ツールを替える前に、試した業務が合っていたかを確かめます。
責任者は経営者でなければいけませんか。
必ずしも経営者でなくて構いません。ただし、約束事を決める権限がある人にします。権限がないと、2か月目に出た問題を直せません。

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