2026.10.21
management
自分で直せない仕組みは、読んで直せる範囲に絞って仕事に入れる
開発者向けの道具を使い、AIの力を借りて、開発者ではない人が自分で仕組みを作る場面が増えています。作れたことは嬉しい反面、止まったときに誰が直すのかが決まっていないことも少なくありません。この記事では、自分で直せない仕組みを仕事に入れてよいかを、会社としてどう判断するかを説明します。
株式会社ストリックランド(弊社)の答えは、自分で読めて直せる範囲までなら入れてよく、それを超えるなら入れない、というものです。生成AIの研修とシステム開発を行う弊社が、2026年10月時点で社内の判断に使っている考え方です。ここでの開発者向けの道具とは、プログラムを書く人が使うように作られた道具を指します。
直せない仕組みで起きること
直せない仕組みを仕事に入れると、次の3つの場面で困ります。
- 不具合が出たとき、対応できない
- 何が壊れたのかを見ても分からない
- 直せる人が社内にいないと、仕事が止まったままになる
- 弱点に気づけない
- どんな場面で間違うのかを知らずに使い続ける
- 間違いが出ても、仕組みのせいだと分からない
- 仕様が変わったとき、手詰まりになる
- 仕様とは、その道具が決めている動き方のこと
- 中身を知らないと、何が変わったのかを読み取れない
どれも、中身を読めないことが原因です。便利さよりも先に、自分で読めるかどうかを見ます。
入れてよいかを決める4つの問い
仕組みを仕事に入れる前に、次の順で確かめます。1つでも「いいえ」なら、入れる範囲を小さくします。まず、中身を最後まで読んで、何をしているか説明できるか。次に、不具合が出たとき、自分の手で直せるか。さらに、止まったときに、元の手作業へすぐ戻せるか。最後に、直す人を、社内で1人決めてあるか。
大事なのは、作った本人が説明できるかどうかです。説明できない部分が残るなら、そこには手を出しません。
入れてよい範囲と入れない範囲
分け方の例を挙げます。
- 入れてよい仕組み
- 中身を読み切れる小さな仕組み
- 役割が1つだけの仕組み
- 止まっても、元の手作業で仕事が続く仕組み
- 入れない仕組み
- 読めない部分が多く、止まった理由が分からない仕組み
- 止まると、仕事全体が止まってしまう仕組み
- 道具の仕様が変わると、動かなくなるおそれがある仕組み
複雑な仕組みが必要になったら、自分で作り込まずに、直せる人がいる形へ切り替えます。
範囲は指示ではなく設定で決める
弊社はAIに任せる範囲を、お願いの言葉ではなく設定で決めています。たとえば、直す人が読み切れていない仕組みには、AIのアカウントから書き込めないようにしています。
仕組みも同じです。人が直せる範囲を、口で伝えるだけでは守られません。触れる範囲そのものを、最初に小さく決めておきます。
AIに作らせた仕組みが大きくなりすぎたら、一度作り直して小さく戻します。進め方は生成AIで業務システムを作る進め方 洗い出しから運用までにまとめています。
決めたあとに見直す
一度入れた仕組みも、使い続けるうちに中身が増えていくものです。直す人は、決まった日に中身を読み直します。読めなくなっていたら、その仕組みは範囲の外に出たと考えます。
見直しで見るのは、前回より読めない部分が増えていないかと、止まったときの手作業の手順が今も使えるかの2点です。
手順が古くなっていると、止まった日に戻せません。手作業の手順も、仕組みと一緒に直します。
直せないときは外に頼む
社内に直せる人がいない場合は、外の人に頼む手があります。このときも、作ることだけでなく、直すことと確かめることに対して支払う形にすると、止まったときの責任が決まります。考え方は外注契約は「作る」から「直す・確かめる」への支払いに見直すで説明しました。
弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクは、月10万円(税別)で、最初にまとまった費用は要りません。使う人数にも上限を置いていません。月2回、オンラインで30分の定例があり、受付は24時間です。担当の対応は9時から19時までで、土日も行います。仕組みが止まったときの連絡先を決めたい会社は、使い方の一つとして検討してください。
自分で読めて直せる範囲に仕組みを収める。その外側は、直せる人に任せる。この2つを会社の決まりとして先に書いておけば、導入するかどうかで迷う時間が減ります。

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