2026.10.16
management
外注契約は「作る」から「直す・確かめる」への支払いに見直す
文章や翻訳を外注している会社では、こう思う場面が増えています。「AIが下書きを作れるなら、これまでと同じ金額を払い続けてよいのだろうか」。契約書には、作る手間への対価が書いてあるからです。この記事は、外注先との契約を会社としてどう見直すかに答えます。
外注先との契約は、「作る」ことへの支払いから、「直す・確かめる」ことへの支払いに見直します。AIが下書きを作れる仕事が増えたので、人の手が価値を出す場所が変わったためです。弊社も、この考え方で外注の頼み方を決めています。2026年10月時点の判断です。
何が変わったのか
文章や翻訳のように、AIが下書きを作れる仕事が増えています。下書きを出すまでの手間は、以前より小さくなりました。
一方で、出来上がった文が正しいか、会社の言い方に合っているかは、AIだけでは決まりません。ここは人が見るところです。
- 以前の外注
- 白紙から作る手間に対して払う
- 出来上がりの確認は、頼んだ側が行う
- これからの外注
- 下書きは先にAIで作れる
- 直すことと、確かめることに人の力が要る
契約の中身が「作る」だけだと、価値が出る場所と支払う場所がずれます。
まず自社の仕事を分ける
契約を直す前に、外注している仕事を分けます。全部を頼むか、全部をやめるかで決めないことが大切です。
弊社では、仕事を次のように分けています。
- 社内でやる仕事
- 基礎調査
- データの整理
- 素案づくり
- 外部に頼む仕事
- 高度な助言
- 客観的な検証
素案づくりのようにAIが得意な仕事は、社内で下書きまで進められます。外部には、社内の目だけでは足りない部分を頼みます。
この分け方を先に決めると、どの契約を見直すかが見えてきます。
契約の中身を見直す
分けたあとで、各契約の「何に対して払うか」を確かめます。見直すときの問いは次のとおりです。
- その仕事は、AIが下書きを作れる種類か
- 外注先に頼む価値は、作ることか、直すことか、確かめることか
- 納品物を誰がどの基準で確かめるのか
「作る」への支払いが中心の契約は、「直す・確かめる」を中心にした書き方に変えます。たとえば翻訳なら、下書きを先に用意し、外注先には言い回しの修正と、意味の確認を頼みます。
納品物の確認も、契約に書いておきます。確認の基準が決まっていないと、後で食い違いが出ます。
AIの使い方を外注先と決める
外注先がAIを使うかどうかも、会社として決めます。全部ダメか全部OKかでは決めません。
決めることは次のとおりです。
- 外注先がAIを使うこと
- 使ってよい仕事と、使わない仕事を分ける
- 使ったときは知らせてもらう
- こちらが渡す情報
- 個人情報は渡さない
- 社内資料は、外注先のAIが法人向けの契約かを確かめてから渡す
何を守るかを決めずに怖がるのは、判断ではなく先送りです。守るものを先に決めると、渡してよい情報も決まります。社内データの渡し方は、生成AIに社内データを読ませる3つの方法と渡してはいけない情報にまとめています。
納品物を受け取る側の責任
AIが下書きを作ると、納品物に弱点が残ることがあります。AIが作ったものには、確かめないと見つからない間違いが混ざりやすいためです。
そのため、公開や利用の前に、別の人が確かめる決まりを置きます。外注先の確認だけに任せず、頼んだ側にも確認する人を決めます。
弊社では、AIが出したものは必ず別の人が見てから使います。この決まりは、外注先からの納品物でも同じです。
契約書にも、確認の期間と、直しを頼める範囲を書いておきます。
見直す順番を決める
全部の契約を一度に変える必要はありません。次の順で進めると、混乱が少なくなります。
- 文章や翻訳のように、AIが下書きを作れる仕事の契約から見る
- 次の更新日に合わせて、書き方を変える案を作る
- 外注先と話し合い、新しい支払いの形を決める
外注先を責める話ではありません。仕事の中身が変わったので、お互いに納得できる形へ直す話です。外注先にとっても、直す・確かめる力が評価される契約は、続けやすくなります。
契約書の直しは弁護士に確認する
ここまでは、会社としてどう決めるかの話です。契約書の文言を実際に変えるときは、弁護士に確認してください。この記事は、条文や雛形を示すものではありません。
弁護士に渡す前に、次の3つを自社で整理しておくと話が早く進みます。
- 外注している仕事の分け方
- 各仕事で「何に対して払うか」
- AIを使うときの決まり
外注先とのAIの使い方や、社内の決まりを整理する段階で迷ったときは、弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスク(月10万円、税別)で相談できます。契約書そのものの確認は、弁護士の仕事です。

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