2026.10.25
management
自分しか知らない判断のルールは、書く時間を仕事に含めて決める
担当者が休んだ日に、AIで作った仕組みが止まり、誰も直せない。そんな場面は、これから増えていきます。この記事は、自分しか知らない判断のルールを会社に残す進め方に答えます。会社として何を決めればよいかを書きます。
答えは、判断のルールを書き出して置き場に入れるところまでを、仕事に含めると決めることです。弊社ストリックランドも、そう決めて運用しています。頭の中のルールは、その人が替わると消えます。文章にして置き場に入れた時点で、はじめて会社のものになります。決めるのは、誰がいつまでに書くかと、どこに置くかの2点です。
属人化が起きる流れ
AIで作った仕組みは、作った人の判断で動きます。たとえば、この件名のメールは後回しにする、この金額を超えたら上司に回す、といった判断です。
作った本人には当たり前なので、どこにも書かれません。担当が変わると、仕組みが何を基準に動いているのか、誰にも分かりません。
直したくても、どこを直せばよいか分からない状態になります。作った人にしか直せない仕組みは、会社の側から見ると、中身の見えない道具です。
会社に必要な理由
理由は、直せることと引き継げることが、会社の財産になる条件だからです。分かれ目は、作った人が休んだ日も同じように動くかどうかです。
ルールが文章になっていれば、新しい担当者が読んで、同じ判断ができるかを確かめられます。文章が無ければ、確かめる方法がありません。
間違いに気づいたときも、文章があれば、ルールのどこが原因かを追えます。文章が無いと、AIを責めるか、作った人に聞くしかなくなります。
入れる前の判断は、自分で直せない仕組みは、読んで直せる範囲に絞って仕事に入れるで書きました。ここでは、入れたあとに書き残す側の話です。
弊社が文章にしているルール
2026年10月時点の弊社の例です。記事を公開する前に、人間が読んで分かる言葉かを確かめると決めています。比喩を使わない、専門語は初めて出たところで1文で説明する、という基準です。
この基準は、書き手の好みではなく、文章として決まりにしてあります。だから書き手が替わっても、同じ点検ができます。
弊社では、外へ出す文を、公開の前に機械の判定で点検しています。出してよいかどうかの判断も、誰かの勘に預けず、点検の手順に入れてあります。
どちらも、作った人が不在でも同じ結果が出ることを狙っています。人が替わるたびに聞き直す手間も、これで減らせます。
会社で決めること
- 書く範囲
- 代わりの人が迷う判断だけを書く
- 作業の手順を全部書こうとしない
- 置き場
- その仕組みを使う人が必ず開く場所に、1か所だけ置く
- 個人のメモやチャットの中には置かない
- 見直す日
- 書いた日に、次に読み返す日を先に決める
- 仕組みを変えたら、同じ日にルールも直す
この3つを決めずに「書いておいてください」とだけ頼むと、書く時間が仕事として扱われません。書く時間を仕事に含める、と言葉にして決めることが大事です。
明日できる次の一手
自分しか知らない判断のルールを、1つだけ書き出します。次の順で進めてください。
- 今週AIに任せた仕事を1つ選ぶ
- その仕事で、自分が毎回している判断を1つ選ぶ
- 「このときは、こうする」と1文で書く
- 理由を1文で足す
- 同じ部署の人に読んでもらい、同じ判断になるかを聞く
- 置き場に入れて、見直す日を決める
理由が書けない判断は、自分でもまだ決めきれていない印です。その場合は、書けないと分かったこと自体が成果です。
最初から全部を書こうとして止まらないでください。1つ書いて、人に読んでもらうところまでで十分です。
書いたルールは、あとで直してかまいません。直した日と理由を1行残しておくと、次の担当者が経緯を追えます。
書くときの注意
ルールには、具体的な場面を1つ添えます。「状況に応じて判断する」と書いても、読んだ人は動けません。
書いた人以外が読んで動けるかを、必ず確かめます。確かめないまま置き場に入れると、あとで読まれても役に立ちません。
置き場に入れたら、使う人全員に場所を知らせます。場所を知らなければ、文章があっても読まれません。
合格の基準を誰が決めるかは、AIの合格の基準は人が決めて文章に書くにも書きました。判断を文章にする点で同じ考え方です。

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