2026.10.29
management
AIに案を出させる前に、期限と体制と予算を人が書くと決める
AIに「うちに合うシステムを3案出して」と頼むと、比較表はすぐ出てきます。ところが、その表を見ても、どれを選ぶかが決まらないことがあります。この記事が答えるのは、案を出させる前に人が書く3つを、会社でどう決めるかです。
答えは、AIに頼む前に、担当者が期限と体制と予算を文章で書き、責任者が読んで認める。これを会社の手順として決めることです。株式会社ストリックランドは、3つが書かれるまで案出しに進まない順番を勧めています。
AIが決められないこと
AIは比較表を、すぐ作れます。点数の付け方も、それらしく整えます。しかし「この会社の期限と体制で、どの条件にどれだけ重みを置くか」は、AIには決められません。
AIが前提を知らないから、ではありません。前提を言葉にして、決められる形に整えること自体が、人の仕事だからです。
書かれていない前提は、AIが一般的な会社を思い浮かべて補うことがあります。その結果、きれいな表なのに、自社の事情とずれた案が並びます。
会社として書かせる3つ
決めるのは、案出しの前に次の3つを、人が文章で書くことです。例は、たとえばの作り話です。
- 期限
- いつまでに使い始めたいかを書く
- 例 来年3月末までに、まず1部署で使い始める
- 体制
- 誰が作り、誰が運用するかを書く
- 例 担当は2人で、1人は週に半日しか使えない。この技術を運用した人はいない
- 予算
- 初期にいくらまで、毎月いくらまで出せるかを書く
- 例 初期は100万円まで、毎月は5万円まで
「早めに」「少人数で」「なるべく安く」では足りません。日付、人の名前、金額のように、あとで見て同じ意味に読める書き方にします。
会社として決める理由
理由は3つあります。
1つ目は、点数の根拠が生まれるからです。期限が書かれていれば、導入に時間がかかる案は点が低くなる理由を説明できます。
2つ目は、選んだ責任を人が持てるからです。AIが出した案を選ぶのは人です。AIは、そのための材料を早く出す役目を担います。なぜその案かを、あとから聞かれたときに答える材料が要ります。
3つ目は、条件が変わったときに見直せるからです。予算が減ったと分かれば、書いた紙の数字を直して、もう一度案を出させるだけで済みます。
個人の頭の中にあるだけの前提は、その人が休むと使えません。会社の手順にするのは、そのためです。
また、3行を書く作業は短く済みますが、書いてみると意見が分かれる行がすぐ見つかります。案を比べたあとで食い違いに気づくより、比べる前に気づくほうが、やり直しは小さくなります。
弊社の契約の形で見る
ここで、2026年10月時点の弊社の例で考えます。弊社のOnは、月額30万円(税別)の準委任で、業務変革に強い人材をアサインするサービスです。4か月から始まり、続けるかは月ごとに決めます。
月ごとに続けるかを決める契約では、お客様の側に期限と予算の紙があると判断が早くなります。今月で何を終えたいか、来月も同じ体制を続けるかが、紙と見比べて話せるからです。
弊社には、人を技術に合わせず、技術を会社の感覚・知識・文化に合わせる考えがあります。会社の感覚や文化は、聞いただけでは分かりません。書いてもらうところから始めるのは、この考えと同じ向きです。
明日できる一手
明日やることは1つです。次にAIへ案出しを頼む案件を1つ選び、頼む文の先頭に3行を書きます。
案件を1つ選び、期限、体制、予算を1行ずつ書いて、責任者に読んでもらいます。直しがあれば直し、その3行を付けてAIに案を3つ出させます。
書けない行があれば、それは社内でまだ決まっていないという印です。AIに聞く前に、その行を埋める話し合いを先にします。
予算の行を書くときは、生成AI導入の費用は4つに分けて見積もるが使えます。期限の行は、中小企業の生成AI導入は最初の3か月を月ごとに分けて決めるを見ると、区切り方が分かります。
書いたあとの扱い
3行は、案が出たあとにも使います。出た表の中に、期限や体制と合わない案があれば、理由を3行に照らして一言で書き残します。
そのうえで、条件を変えて聞き直すと、AIの答えがどう動くかを見られます。たとえば、運用経験者がいないと書き足すと、おすすめが変わる場合があります。
案を選ぶのは人です。AIは、そのための材料を早く出す役目です。AIの表は、書かれた条件に合わせて出る材料として使います。その材料を良くするのは、会社が決めて書く3行です。

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