2026.10.29
management
「性能が大事」は数字か条件に直してから選ぶと会社で決める
会議で「性能が大事ですね」と全員がうなずきました。ところが選んだあとで、人によって思っていた中身が違うと分かる。そんな場面は珍しくありません。この記事は、「性能が大事」という言葉を会社としてどう決めれば、選べる形になるのかに答えます。
「性能が大事」と書いただけでは、何も選べません。株式会社ストリックランドは、選ぶ前に数字か条件に直すと会社で決めておくことを勧めます。直す作業は案を比べる前に1回だけ行い、直した数字は紙に残して、会議に出る人が同じものを見られるようにします。
「性能が大事」だけでは選べない
「性能」という言葉は、人によって指すものが違います。ある人は画面が開くまでの速さを思い浮かべます。別の人の頭にあるのは、たくさんの処理を同時にこなせることです。さらに別の人が思い浮かべるのは、止まらずに動き続けることです。
同じ言葉で話しているのに、頭の中の中身が違う状態です。この状態で案を比べても、どの案が良いかは決まりません。点数をつける場面になると、各自が自分の思う性能で点をつけるからです。
しかも、あとで「なぜこの案を選んだのか」と聞かれたときに、答えられません。「性能が良さそうだったから」としか言えず、何をもって良いとしたのかが残っていないためです。
数字や条件に直す書き方
直し方は難しくありません。「大事」と書いた言葉に、測れる形をつけます。
- 速さが大事なとき
- たとえば「画面を開いてから応答が返るまで200ミリ秒以内」と書く
- 1ミリ秒は1000分の1秒のことです
- 量が大事なとき
- たとえば「1日に1億件のデータを処理する」と書く
- 止まらないことが大事なとき
- 「止まってよい時間は月に何分まで」のように、許せる長さを書く
ここに出した数字は、書き方を見せるための作り話です。自社の数字は、自社の仕事から出してください。今の業務で何件を扱っているか、お客様はどのくらい待てるか、といったことから逆算します。
数字にしにくい場合は、条件で書いても構いません。たとえば「夜間に止めても業務に影響が出ない」と書きます。「決済の処理は1秒も止められない」と書いても構いません。止まったときに何が起きるかを書けば、大事さの中身が見えてきます。
直した数字が重みの根拠になる
案を点数で比べるときは、項目ごとに重みをつけます。重みとは、どの項目をどれだけ大事に見るかを表す割合のことです。
「性能が大事」のままだと、重みを高くする理由が好みになります。応答が200ミリ秒以内なのか。1日1億件を処理するのか。それを書いて、はじめて重みに根拠が生まれます。数字に直してあれば、案ごとの点が妥当かどうかも、あとから確かめられます。
たとえば、ある案の応答が300ミリ秒だったとします。条件が200ミリ秒以内なら、その案は性能の項目で点が低くなる理由は明らかです。条件がなければ、300ミリ秒が良いか悪いかを、その場の印象で決めることになります。
費用の側でも同じことが言えます。費用の見積もりは、生成AI導入の費用は4つに分けて見積もるに書きました。費用も性能も、数字に直してから比べるという点は共通です。
弊社が公開前に確かめていること
弊社は、外へ出す記事を公開する前に、人が読んで分かる言葉になっているかを確かめます。比喩を使っていないか、専門の言葉を初めて出すときに説明があるか、という点を見ます。
書いた本人は分かる言葉のつもりでも、読む人には分からないことがあるからです。「分かりやすく」と掲げるだけでは、人によって見方が変わります。そこで、確かめる点を先に決めて、毎回同じ点を見ています。
「性能が大事」を数字に直すことも、これと同じ考え方です。大事にしたいことを、確かめられる点に変えておくと、人が替わっても同じ見方で判断できます。
明日できる次の一手
明日やることは1つです。今、比べようとしている案が1つでもあれば、「大事」と書いている言葉を1つ選んでください。その言葉の横に、数字か条件を1つだけ書き足します。
数字がすぐ出ないときは、現場の人に聞くのが早いです。「これが止まったら、何分で困りますか」と尋ねます。答えを書き留めれば、それがそのまま条件になります。
書いた数字は、比べる案の一覧と同じ紙に載せます。案を出す人にも、その紙を先に渡してください。条件を先に渡しておくと、出てくる案の質も上がります。
自社で作るか迷うときは、AIを自社で作るかは3つの費用を数えて決めるも読んでください。決める順番を整理しやすくなります。
会社として決めておく理由
この決めごとが会社に要るのは、選んだ理由を人が替わっても説明できるようにするためです。担当者が異動したあとで、理由を問われることがあります。数字や条件が紙に残っていれば、当時の判断を追えます。残っていなければ、選び直すか、理由の分からないまま使い続けるかのどちらかです。
また、数字に直す作業は、選ぶ前の話し合いを短くします。「大事」の中身が食い違ったまま話すと、重みの議論が長引きます。先に数字をそろえておけば、話し合うのは配分の部分だけです。
2026年10月時点で弊社が勧める決めごとは、次の1文にまとめられます。性能が大事と言うなら、選ぶ前に数字か条件を紙に書く。システムの導入や開発で比べる案が多いときも、この1文から始めてください。

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