2026.10.18
management
社内の知識をAIに読ませる最小の形は、置き場3つと会議録から始める
社内の知識をAIに読ませたいと思っても、どこから手を付けるかで止まってしまう会社は少なくありません。全部の資料を整理してからと考えると、いつまでも始められないからです。この記事では、会社として最初に何を用意すると決めればよいかに答えます。
株式会社ストリックランド(弊社)が勧める最小の形は、置き場を3つだけ作ることです。素材を入れるフォルダ、整理した文書を入れるフォルダ、AIへの指示書の3つで始めると決めます。2026年10月時点の、弊社の考えです。
3つの置き場の役割
それぞれの置き場に何を入れるかを、先に決めておきます。
- 素材のフォルダ
- 集めただけで、まだ手を入れていない資料を入れる
- 会議録、メールの控え、手書きメモを写した画像などが入る
- AIに読ませる前の、そのままの状態で置く
- 整理した文書のフォルダ
- 人が読んで直した文書だけを入れる
- 1つの文書に1つの話題を書く
- AIが答えの元にするのは、主にこちらにする
- AIへの指示書
- AIが最初に読む1枚の文書である
- 2つのフォルダに何が入っているかと、読む順番を書く
指示書とは、AIに「この会社ではこう動いてください」と伝える文書のことです。最初は10行ほどでかまいません。
最初に集めるのは会議録
素材のフォルダに最初に入れるのは、会議録です。まず会議録を1つのフォルダに集める、と決めます。
会議録から始める理由は、会社の決めたことがいちばん書かれている資料であること、日付と参加者が残っていていつの話かが分かること、すでに各自のパソコンや共有の場所にあって新しく書かなくてすむことの3つです。
集めるときは、場所を問わずに1つのフォルダへ移します。名前の付け方がばらばらでも、最初は直しません。直す作業は、素材を集め終わってからです。
議事録をAIで作る場面での決めごとは、議事録AIを社内で使う前に決める4つのこと 範囲・知らせ方・保管・確認にまとめています。
素材から文書へ直す
素材がたまったら、整理した文書のフォルダへ移す作業を始めます。ここは人が行う作業です。素材を1つ開き、決まったことだけを抜き出して、話題ごとに文書を分けます。1つの文書に書く話題は1つだけです。名前は中身が分かる言葉にし、日付と決めた人の役職を書き添えます。元の素材はそのまま残します。
元の素材を残すのは、あとで「なぜこう決めたのか」を人が確かめられるようにするためです。AIの答えに疑いが出たときも、元を読めば確かめられます。
指示書に書くこと
指示書には、最初は次の項目だけを書きます。
- この会社と、この指示書の目的
- 何の仕事に使うAIかを1文で書く
- フォルダの場所と役割
- 素材と整理した文書のどちらを先に読むかを書く
- 答え方の決まり
- 元にした文書の名前を答えに添える
- 文書に書いていないことは、書いていないと答える
- 読ませてはいけない情報
- 個人の評価や給与など、社内でも限られた人しか見ない資料を挙げる
項目を増やしたくなっても、使いながら足せば十分です。最初から長い指示書を書くと、書いた本人にも内容が追えなくなります。
会社として先に決めること
置き場を作る前に、次の4つを決めます。
- 持ち主
- 整理した文書を直す担当者を決める
- 担当者が代わるときは、指示書に名前を書き換える
- 入れてはいけない情報
- お客様の個人情報や、契約上外に出せない資料を、素材にも入れない
- 見直す時期
- 決まりが変わったら、整理した文書も同じ日に直す
- 確認の仕方
- AIの答えを使う前に、元の文書を人が1回開く
AIに読ませてよい情報の線引きは、生成AIに社内データを読ませる3つの方法と渡してはいけない情報で詳しく説明しています。
広げるときの順番
3つの置き場で試して、答えの質に納得できたら広げます。広げる順番は、まず会議録の次に手順書や規程を素材へ足すことです。足した分も、人が読んで整理した文書にしてから、指示書に新しい置き場と読む順番を書き足します。資料が増えて探しにくくなったら、社内の資料を横断して検索できる仕組みを検討する段階です。
弊社の PalAssistant は、社内資料を横断検索できるセキュアな生成AIチャットです。ただ、仕組みを入れるのは、置き場と決まりができたあとで間に合います。順番を逆にすると、整っていない資料を検索するだけになるからです。
最小の形で大事なのは、量ではありません。何をどこに置くかを会社として決めて、その決めたことを指示書に書いておくことです。まず会議録を1つのフォルダに集めるところから始めてください。

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