2026.10.11

management

議事録AIを社内で使う前に決める4つのこと 範囲・知らせ方・保管・確認

議事録AIを社内で使う前に決めることは、次の4つです。1つ目は、録音・文字起こしをしてよい会議の範囲です。2つ目は、参加者への知らせ方です。3つ目は、保管場所と消す時期です。4つ目は、AIが作った議事録を誰が確認するかです。株式会社ストリックランドは、この4つを導入の前に文章にしておくことを勧めています。この記事では、それぞれ何を決めるのか、決めないと何が起きるのかを説明します。2026年10月時点の考え方です。

議事録AIを使う前に、なぜ決めごとが要るのですか

議事録AIは、会議の音声を文字にして、要点をまとめる道具です。使い始めるのは簡単です。アプリを入れれば、その日から使えます。

だからこそ、決めないまま広がります。ある人は全会議を録音し、別の人は一切使わない。この状態になると、困るのは経営者や管理職です。会議の中身は、人事、取引先、お金の話を含むからです。

決めごとは長い規程でなくて構いません。A4で1枚の紙にまとめれば足ります。生成AI全般の決め方は、次の記事にあります。社内生成AIガイドラインの作り方。A4一枚で足りる理由。

1つ目は、どの会議なら録音・文字起こししてよいですか

最初に、会議を3つの段階に分けます。

  • 録音してよい会議: 社内の定例、勉強会、進捗の共有など
  • 事前に許可をとる会議: 取引先が参加する会議、1対1の面談
  • 録音しない会議: 人事評価、採用の最終判断、懲戒、役員会の機密事項

分け方の目安は、話の中身に個人の評価や秘密が入るかどうかです。迷う会議は「録音しない」側に置きます。後から緩めるほうが、後から締めるより簡単です。

取引先との会議は、相手の会社にも決まりがあります。こちらの都合で録音を始めず、事前に相手へ聞きます。

2つ目は、参加者にどう知らせますか

録音していることは、参加者が分かる形で伝えます。声は、その人を特定できる情報だからです。個人の情報の扱いは個人情報保護法が決めているので、使う目的を伝えることが基本になります。

知らせ方は、次の3段に分けると決めやすくなります。

  1. 招待の文面に「この会議は録音し、AIで文字にします」と書く
  2. 会議の最初に、司会が一言で伝える
  3. 録音中だと分かる表示を、画面に出す

社員には、一度だけ全体に説明し、使う目的を書面で渡します。目的は「議事録の作成を楽にするため」のように、具体的に書きます。人事の評価に使わない、と決めて書いておくと、社員の不安が減ります。

3つ目は、データをどこに置き、いつ消しますか

議事録AIには、音声、文字起こし、要約という3種類のデータが残ります。それぞれの置き場所と、消す時期を決めます。

  • 音声: 文字起こしが済んだら消すのが基本。残すなら期限を決める
  • 文字起こし: 議事録の確認が済むまで残し、その後は消すか、社内の共有フォルダへ移す
  • 要約(議事録): 会社の文書として、他の議事録と同じ場所と同じ期間で保管する

もう一つ、確かめることがあります。使うサービスが、入力した音声や文章をAIの学習に使うかどうかです。契約の種類によって扱いが違います。利用規約と契約の画面で、学習に使われない設定になっているかを、導入前に管理者が確認します。

保管先が社外のサービスなら、社員が個人のアカウントで使うのをやめます。会社の契約のアカウントだけを使う、と決めます。社内の資料をAIに読ませる場面は、次の記事が参考になります。中小企業が社内AIアシスタントを入れる前に決める3つのこと。

4つ目は、AIが作った議事録を誰が確認しますか

AIの議事録には、聞き間違いや、言っていないことの混入があります。人の名前、金額、日付の取り違えは、特に起きやすい誤りです。

そこで、確認する人を会議ごとに決めます。

  1. 会議の司会か、書記の役の人が、配る前に全文を読む
  2. 金額、日付、担当者名、決まったことの4か所は、元の発言と照らす
  3. 確認した人の名前と日付を、議事録の末尾に書く
  4. 確認が済むまで、社外にも、社内の全体にも配らない

確認者を決めない運用が、いちばん危険です。全員が「誰かが見ただろう」と考え、誰も見ないまま、間違った議事録が正式な記録になります。

決めたあと、どう運用しますか

4つを決めたら、小さく始めます。最初は1つの部署の定例会議だけで使い、1か月ほど様子を見ます。困った点が出たら、A4の紙を直します。

弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクは、月10万円(税別)です。こうした決めごとの相談も受けています。月2回、30分のオンライン定例があります。議事録AIに限らず、生成AIの使い方を会社の事情に合わせて決めたいときの選択肢の一つです。

よくある質問

無料の議事録AIを、社員が勝手に使っていたらどうしますか

まず、何人がどの会議で使っているかを聞き取ります。責める目的ではなく、実態を知るための調査と伝えます。そのうえで、会社として使うサービスを一つ決め、他は使わないと決めます。

録音の許可は、全員から書面でとる必要がありますか

書面が必要かどうかは、会社の状況と法律の解釈で変わります。個別の判断は、弁護士や社会保険労務士にご相談ください。実務では、招待文への記載と、会議の最初の一言で、参加者が知る機会をつくります。

音声は残さず、文字だけ残すのでもよいですか

よいです。音声は容量も大きく、個人の声を含むため、残す理由が薄いデータです。文字起こしと議事録を確認した後に、音声を消す運用が管理しやすくなります。

AIの議事録は、正式な議事録として使えますか

AIが作った文を、人が確認して直した後なら、正式な記録として使えます。確認者の名前と日付を残しておくと、後から経緯を追えます。確認を経ていない文は、下書きとして扱います。

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