2026.11.03
management
広告運用をAIに任せる前に、サイトと広告の権限を会社で決める
広告の運用をAIに任せる話を聞くと、操作がうまくできるかが気になります。ところが、あとで困るのは操作よりも、だれが何をしてよいかが決まっていないことです。この記事は、AIに任せる前に会社が何を決めておくかに答えます。
AIに任せる前に決めるのは、サイトの持ち主、広告の管理者、閲覧できる人の3つの権限です。まず、この3つに会社として名前を入れます。実務の手順をそのあとに回すこの順番がよいと、弊社は考えます。
動画が指摘した点
ある動画では、AIで広告の運用を内製する話の中で、本当に大変なのは実務ではなく権限だと話されています。サイトを誰が持つか、広告の管理者は誰か、閲覧を誰に許すかという問題です。
この動画には、費用の上限や、公開前の承認の話は出てきません。そこで本記事も、この2つは決まった答えとしては書きません。話し合う点として、あとの節で扱います。
権限が先に要る理由は、あとから決めると外す話になるからです。すでに入っている人の権限を減らすのは、気まずく、もめやすい作業です。最初に決めておけば、その作業は起きません。
AIに任せたあとは、AIが何をしているかを見る人も要ります。見る人が決まっていないと、広告の設定が変わっても、誰も気づきません。権限を決めることは、気づく人を決めることでもあります。
サイトは誰が持つか
サイトの持ち主とは、サイトの設定を最後に変えられる人のことです。サイトのアドレスを借りている契約や、サーバーの契約の名義も、ここに入ります。
広告の運用では、サイトに計測用のタグを入れることがあります。タグとは、訪問を数えるための小さなプログラムです。入れる権限が持ち主にしかなければ、AIも管理者も、勝手には入れられません。
担当者個人のメールアドレスで契約している場合は、先に直します。その人が辞めたときに、会社が入れなくなるからです。契約は、会社の共用のアドレスに替えておきます。共用のアドレスには、受け取る人を2人以上決めておきます。
広告の管理者は誰か
広告アカウントの管理者は、お金の使い方と設定を変えられる人です。管理者は、人に絞ります。AIには、管理者の権限を渡しません。AIに任せるのは、広告文の下書きや、数字の読み取りまでが無理のない範囲です。
管理者は、1人だけにしません。その人が休んだり辞めたりしても、広告が止まらないように、代わりの人も決めておきます。
弊社の顧問型ITコンサルは、問い合わせの受付が24時間で、担当の対応は9時から19時、土日も含みます。2026年10月時点の弊社の取り決めです。時間を先に決めておくと、困ったときの連絡先が分かります。管理者が出られない時間に誰へ連絡するかも、同じように決めておきます。情報システムの担当がいない会社の体制は、情報システム担当がいない会社のIT体制の作り方と外に頼む範囲で書きました。
閲覧は誰に許すか
閲覧だけの権限は、気軽に広げがちです。ところが、広告の数字には、売上やお客様の反応が混じります。見られる人が増えるほど、見せたくない人に見える機会も増えます。
一方で、見られる人が少なすぎると、数字を読んで判断する人が困ります。基準は、その数字を見て仕事の判断をするかどうかです。判断しない人には、閲覧を許さなくて構いません。
AIに数字を読ませるときも、同じ基準を使います。AIには、閲覧だけの権限を渡します。変更できる権限は渡しません。
決める前に話し合う点
次の2つは、動画では語られていません。ですから、答えを決めつけず、会社の事情に合わせて話し合います。
- 費用の上限
- 1か月にいくらまで広告に使ってよいか
- その上限を誰が決め、誰が変えられるか
- 公開前の承認
- 広告の文を出す前に、誰が読むか
- 承認した人の名前を、どこに残すか
AIの扱いの決めごとを広く確かめたいときは、AIガバナンスとは。中小企業が最低限決める4つのことを解説も参考になります。
明日できる一手
明日の朝、広告アカウントの管理画面を開き、管理者として入っている人の名前を紙に書き出します。そのうえで、サイトの持ち主、広告の管理者、閲覧できる人の3行を作り、それぞれに名前を入れてみます。
名前が入らない行や、個人のメールアドレスで契約している行が見つかれば、そこが最初に直す点です。AIに任せる話は、その行が埋まってから始めても遅くありません。

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