2026.10.15
AI agent
AIエージェントで自動化できる業務と、人が決める業務の分け方
経営者の方から「AIエージェントに、どこまで仕事を任せてよいのか」と聞かれることがあります。何でも任せられると言う人もいれば、まだ使えないと言う人もいて、会社として線を引きにくい状況です。この記事は、自動化できる業務とできない業務を、会社としてどう分けて決めるかに答えます。
AIエージェントとは、文章を作るだけでなく、ツールを操作して複数の手順を続けて進めるAIのことです。2026年10月時点で、株式会社ストリックランド(弊社)が自動化してよいと考える業務は、手順が決まっていて、間違えても人が直せて、結果を人が確かめられる業務です。お金や契約を決める業務と、取り消せない操作は、人が決める業務として残します。
分ける基準
業務の名前ではなく、業務の性質で分けます。次の4つの問いに答えると、任せる範囲が決まります。
- 手順は毎回ほぼ同じか
- 同じであれば、AIエージェントに任せやすくなります
- 毎回やり方が変わる業務は、先に手順を決める必要があります
- 手順が書けない業務は、AIエージェントにも指示が書けません
- 間違えたとき、後から直せるか
- 下書きや集計は、間違えても直せます
- 送信や削除は、直せないことがあります
- 結果を人が短い時間で確かめられるか
- 確かめるのに作業と同じ時間がかかるなら、任せる意味が薄くなります
- 外の人に届く前に、人が止められるか
- 止める場所がない業務は、任せる範囲を狭くします
自動化できる業務
4つの問いにすべて「はい」と答えられる業務です。
- 情報を集めて整理する業務
- 社内の資料を読んで、要点を短くまとめる
- 問い合わせの内容を、種類ごとに分ける
- 下書きを作る業務
- メールの返信案を作る
- 会議の議事録の案を作る
- 決まった形に写す業務
- 受け取った内容を、決まった表に入力する
社内の資料を読ませるときは、渡してよい情報を先に決めます。方法は生成AIに社内データを読ませる3つの方法と渡してはいけない情報にまとめています。
自動化できない業務
技術的に難しいからではありません。結果の責任を人が負う業務なので、会社として人が決めます。
- お金と契約を最終的に決める業務
- 支払いの承認や、契約の締結は人が行う
- AIエージェントは、判断の材料を集めるところまでにする
- 人の評価や採用の合否を決める業務
- 本人の生活に関わるので、決めた理由を人が説明できる必要がある
- 取り消せない操作
- 外部への送信や、データの削除は、押す前に人が見る
- 基準が決まっていない判断
- 前例がなく、何を正解とするか決まっていない業務は、まず人が基準を決める
- 基準が文章で書けたら、その部分から任せる範囲に入れられる
弊社の線の引き方
弊社は、AIに任せる業務の範囲を、AIのアカウントに渡す権限で決めています。指示文に書くだけでは、守られる保証がないからです。投稿は、アカウントに投稿の権限を渡さないことで、人だけができる業務にしています。
- AIのアカウントができること
- 下書きを作る
- 資料を読む
- 人だけができること
- 投稿のボタンを押す
外部に出る文は、会社として出してよいかを機械の判定で点検し、公開する前に人間が読んで分かる言葉かも確かめます。AIが書いた文を、そのまま外に出すことはありません。
任せたあとの確認
任せたあとも、人の確認は残ります。確認を省くと、間違いに気づく人がいなくなるからです。
- 確認する内容
- 下書きの内容が、事実と合っているか
- 読んだ資料の範囲を、AIが超えていないか
- 確認する人
- その業務の責任を持つ人が見る
- 担当者が変わっても確認が続くよう、確認する人を役割で決める
- 確認の記録
- 直した箇所を残す
- 同じ直しが続くなら、任せる範囲を狭めるか、手順を書き直す
決める順番
自社の線を引くときは、次の順に進めます。
- 今の業務を、1つずつ書き出す
- 4つの問いで、1つずつ見る
- 最初は「読む」と「下書きを作る」だけに限る
- 人が確認する場所を、業務ごとに決める
- 任せる範囲を、AIのアカウントの権限として設定する
- 間違いが出たら記録し、範囲を見直す
会社として何を決めておくかは、AIガバナンスとは。中小企業が最低限決める4つのことを解説も参考にしてください。
業務の洗い出しから一緒に進めたい場合は、弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスク(月10万円・税別、初期費用なし)で相談できます。月2回の定例(30分、オンライン)で、任せる範囲を見直していきます。

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