2026.11.01
management
新しい仕組みを頼む前は、何を明らかにするかから順に書くと決める
新しい仕組みを頼むとき、つい画面や機能の話から始めてしまうことがあります。使い慣れた技術があると、なおさら作り方が先に頭に浮かぶものです。この記事は、頼む前に何から順に書くかを、会社としてどう決めるかという問いに答えます。
結論から言うと、株式会社ストリックランド(弊社)は、次の決まりを勧めます。頼む前に、4つの項目を決まった順に1枚へ書く、という決まりです。順序は、何を明らかにしたいか、答えが出た状態、制約と前提、方法です。作り方は最後に書きます。
作り方から考えると起きること
使い慣れた技術があると、先に作り方を考え始めがちです。作り方が決まると、設計もその形で組まれます。
あとで要件が変わると、設計全体を直すことになり、手戻りが大きくなります。要件とは、その仕組みに求める条件のことです。新しい仕組みほど、要件は途中で変わりやすくなります。
何を知りたいのかが決まっていないまま作ると、変わった理由も説明できません。
会社として順序を決める理由は、ここにあります。人の注意に頼ると、忙しい週には作り方の話から始まってしまうからです。決まりにしておけば、頼む人が替わっても同じ順で始まります。
頼む前に書く4つの順序
ある記事では、先に決める順序として次の4つが挙げられています。ここでは、会社の決まりとして使いやすい形に直して書きます。
- 何を明らかにしたいか、なぜそれが必要か
- どの状態になれば、答えが出たと言えるか
- どんな制約と前提があるか
- それを満たす方法は何か
制約とは、守る条件のことで、たとえば期限や予算があります。前提とは、すでに決まっていて動かさないことです。
方法は4番目です。方法を先に書きたくなったら、1番から書き直します。
なお、頼んだあとの進め方は、別の記事にまとめました。
生成AIで業務システムを作る進め方 洗い出しから運用までです。
見積書の仕組みで書いてみる
たとえば、営業部が「見積書を自動で作る仕組み」を頼みたいとします。これは作り話の例です。
1番には、時間がかかる原因が入力なのか確認なのかを明らかにしたい、と書きます。直す場所を間違えないために必要、という理由も添えます。
2番には、どの作業に時間がかかっているかを、担当者が説明できる状態、と書きます。見積書1通を例に見てもらいます。
3番には、社外に出せない顧客情報の範囲や、いま使っている台帳の形を書きます。
4番で初めて、台帳への入力を自動にするか、確認の手順を直すかを考えます。原因が入力ではなく確認なら、仕組みを作らずに済むこともあります。
先に作り方を書いていたら、この分かれ道は見えません。入力を自動にする仕組みだけができあがっていたかもしれません。
2番を書くと、頼む側と頼まれる側が、同じ終わりの姿を見られます。終わりの姿が違うまま進むと、できあがってから食い違いに気づきます。
順序を会社の決まりにする意味
個人が心がけるだけでは、順序は続きません。頼まれる側が先に作り方を聞いてくることもあります。そのとき、頼む側が1枚の紙を持っていれば、会話を最初の問いに戻せます。
紙は短くて構いません。1番と2番が埋まっていることを、頼む前の確認事項にします。3番と4番は、頼まれる側と一緒に埋めても遅くありません。
弊社の契約で、この順が要る理由
2026年10月時点で、弊社のOnは月額30万円(税別)の準委任です。準委任とは、成果物の完成ではなく、決めた業務を行うことを引き受ける契約です。4か月からで、続けるかは月ごとに決めます。
月ごとに続けるかを決めるなら、その月の終わりに、何が分かったかを見られなければなりません。1番と2番が書いてあれば、月末に答えが出たかを、同じ紙で確かめられます。
書いていなければ、続ける理由も止める理由も言えません。頼む側にとっても、頼まれる側にとっても、判断の材料がなくなります。
まず1つのチームで試す
この順序は、一人の経験にもとづく考え方です。他の会社の頼み方に当てはまるかは分かりません。そのため、全社の決まりにする前に、まず1つのチームで試して、結果を見てから広げます。
明日できることは1つです。いま頼もうとしている仕組みを1つ選びます。1番の「何を明らかにしたいか、なぜ必要か」を、2行で書いてください。2行に収まらなければ、まだ頼む段階ではありません。
書けたら、頼む相手に作り方の話をする前に、その2行を渡します。試した期間の終わりに、チームの担当者へ聞きます。手戻りが減ったか、頼む相手の質問が変わったかです。

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