2026.10.26
management
AIへの依頼は、1回に1つの判断に区切ると会社で決めておく
AIに仕事を頼むとき、まとめて一度に頼むほうが早い気がします。ところが結果が悪かったとき、どこで間違えたのか分からないことがあります。この記事では、依頼を1回に1つの判断に区切るかを、会社としてどう決めるかを説明します。
弊社の答えは、区切ると決めることです。1回の依頼に入れる判断は1つまでにします。理由は、判断を詰め込むと途中の考えが見えなくなり、間違えたときに直せないからです。ここに書くのは2026年10月時点の弊社の考え方です。
詰め込むと何が起きるか
たとえば次の依頼を、1回で出したとします。
> 古い部分をすべて見つけ、危険度を3段階に分け、失敗した場合の試験までしてください
この1文には、判断がいくつも入っています。古いかどうかの判定と、危険度の付け方は別の判断です。試験をどう作るかも、また別の判断です。
AIはこれらを1つの答えにまとめて返します。途中でどう考えたかは、答えの中に埋もれます。
危険度の付け方がおかしいと気づいても、元がどの判定なのかは分かりません。直すには、最初から頼み直すことになります。頼み直しても、前と同じ所で間違えるとは限りません。
区切ると何が見えるか
仕事を小さく区切るほど、どこで考えが変わったかが見えます。先ほどの依頼なら、次のように分けます。
- 古い部分だけを一覧にしてもらう
- 人が一覧を読み、古くないものを外す
- 残ったものに危険度を付けてもらう
- 人が付け方を読み、おかしい所を直す
- 危険度の高いものについて、試験を作ってもらう
間違いが出たとき、直す場所は1つの段階に絞れます。2の段階で外し忘れたなら、2だけをやり直せば足ります。
なぜ会社で決めるのか
区切り方を各自に任せると、人によって頼み方が変わります。長く1回で頼む人もいれば、細かく分ける人もいます。
そうなると、間違いが出たときの直し方も人ごとに変わります。ある人は最初からやり直し、別の人は途中から直します。担当が替わると、前の人の頼み方を読み解くところから始まります。
会社として1回の判断は1つと決めておけば、誰の依頼でも同じ形になります。結果を読む人も、直す場所を探しやすくなります。
会社としての決め方
決めることは、次の2つです。社内の決まりとして、短く書いておきます。
- 1回の依頼に入れる判断の数
- 1つまでにする
- 「、」でつないだ作業が複数あるなら、判断が複数ないかを見る
- 次の依頼に進む条件
- 前の結果を、人が読んでから進める
- 読む人は、その結果を使って仕事を進める人にする
人が読む場所を段階ごとに置くと、確認の漏れが減ります。長い仕事で確かめる場所をどこに置くかは、長い仕事をAIに任せるなら確かめる場所を区切りごとに先に決めるに書きました。
弊社にも、確認を区切っている場面があります。記事を公開する前に、人間が読んで分かる言葉かを確かめる決まりです。比喩を使っていないか、専門語は初出で説明しているかを見ます。確かめる中身は、この1つだけです。書く作業の後ろに置いて、確認の判断を他の判断と混ぜません。
区切りすぎると手間が増える
区切ると、依頼の回数が増えます。人が読む回数も増えます。ここが、区切らない側の言い分です。
この心配には、2つの考え方で応えます。
- 判断が入らない作業は、同じ依頼にまとめてよい
- 並べ替えや、表記のそろえ直しがその例
- 間違えても、どの作業が原因かが見て分かるため
- 判断の見分け方
- 間違えたとき、人が直す場所が変わるなら別の判断
- 直す場所が同じなら、1つの判断として頼んでよい
回数が増えた分は、やり直しが減ることで取り戻せます。ただし、これは弊社の運用での見方です。実際に減るかは、自社の仕事で試して確かめてください。
明日できる次の一手
明日は、新しい決まりを作らなくても始められます。最近AIに頼んだ長い依頼を、1つ選んでください。
- 依頼の文を、「、」と「そして」で区切って線を引く
- 線で分かれた作業のうち、判断が入るものに印を付ける
- 印が2つ以上あれば、1つ目だけをAIに頼み直す
- 返ってきた結果を人が読み、よければ2つ目を頼む
- 直す場所が1つに絞れたかを、メモに1行残す
この5つを終えたら、1回に入れる判断の数を、会社の決まりとして書いてください。紙1枚で足ります。
決まりの書き方や、社内で運用するときの見直しに迷ったら、弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクで相談できます。月10万円(税別)で、月2回のオンライン定例があります。初期費用はかかりません。

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