2026.09.15
AI Workflow
中小企業が社内AIアシスタントを入れる前に決める3つのこと

社内AIアシスタントとは、社員が自社の文書や業務の手順に沿って、見積書、議事録、提案書、報告書などの成果物を生成AIで作るための、会社として用意する仕組みです。個人が無料の生成AIを使うのと違うのは、入れてよい情報の範囲、回答の根拠、入力データの扱いを会社が決めて管理する点にあります。決めることは3つ。入れてよい情報といけない情報の線引き、回答に根拠が付く条件、入力が学習に使われない条件、です。
株式会社ストリックランドは京都市の会社で、社内生成AIアシスタント PalAssistant を提供しています。この記事では、製品を選ぶ前に自社で決めておく3つのことを、公的な調査の数字とあわせて書きます。
導入後の課題の1位は、社内ルールの整備が追い付かないこと
商工中金が2026年1月に中小企業3,892社から回答を得た調査によると、生成AIの導入状況で最も多かったのは「会社での導入はなく、使用は個人の判断に任せている」で64.9%でした。会社主導で導入している企業と、個人登録の利用を推奨している企業を合わせた積極活用層は31.1%です。
導入後の課題の1位は「社内ルールや方針整備が追い付かない」でした。25.1%です。次いで「導入効果が測定できず、成果が見えにくい」が21.3%、フェーズを問わない課題として「情報管理やセキュリティの不安が大きい」が21.0%です。道具を先に入れて、ルールと効果測定が後から追いかけている姿が数字に出ています。
順番を逆にします。先にルール。3つのことを先に決めてから製品を選ぶと、導入後にルールを作る作業が消えます。
1. 入れてよい情報と、いけない情報の線引き
最初に決めるのは、社員がAIに入力してよい情報と、いけない情報の境界です。決めていなければ、社員は個人の判断で入力します。商工中金の調査で6割超の会社がこの状態にあり、それ自体が情報管理の不安を生んでいます。
線引きはA4一枚で足ります。書くのは4つ。入れてよい情報といけない情報の例、AIの出力をそのまま社外に出してよいかの扱い、責任者、見直しの時期です。当社は中小企業向けに、そのまま自社名を入れて使える「社内生成AI利用ガイドラインの雛形」を公開しています。製品より先に、この一枚です。どの製品を選んでも、線引きが無いと運用が始まりません。
2. 回答に根拠が付く条件
価値は根拠にあります。自社の文書を根拠にして成果物を作れることです。一般の生成AIは、自社の就業規則や過去の見積書を知りません。
条件は3つです。自社の文書がどこにあり、誰が最新版を保つかが決まっていること。回答のどの部分がどの文書から来たかが、社員に見える形で示されること。そして、文書に書かれていないことは書かれていないと答えることです。
3つ目が抜けると、AIは空白を埋めます。もっともらしい文章で。社員がそれを根拠つきだと信じて社外に出したとき、責任は会社にあります。製品を比べるときは、機能の数ではなく、この3つの条件が満たされているかを見てください。根拠が示されない回答は、成果物の下書きには使えても、社外に出す文書の根拠にはなりません。
3. 入力が学習に使われない条件
社員が入力した顧客名や見積の金額が提供元の学習データに使われるかどうかは、契約と設定で決まります。無料の個人向けサービスには、初期設定で入力が学習に使われるものがあります。
確かめることは2つ。提供元の利用規約または契約書に、入力データを学習に使わないと明記されているか。自社が使う経路が、その条件の適用範囲に入っているか、です。法人向けの契約や API 経由では学習に使われないと明記されていても、社員が個人アカウントで同じサービスを使えば、その約束の外に出ます。1つ目のルールで個人アカウントの業務利用を止めるのは、このためです。
3つを決めたあとで製品を選ぶ
当社の PalAssistant は、社員が業務メニューから成果物の種類を選び、質問に答える形で入力すると、社内の文書を根拠にして社内の形式に沿った成果物を受け取れる仕組みです。根拠を示して回答し、入力は学習に使われません。管理者は利用者と利用状況を見られます。
2つのプランがあり、価格はいずれも参考価格で税別です。
- Standard 当社の共用環境。2,800円/1人・月、5名から、初期費用0円
- Premium お客様専用のクラウド環境。AWS 東京リージョン。2,800円×人数+80,000円/月、別途 初期費用800,000円
Premium は専用のクラウド環境です。オンプレミスではありません。どちらのプランでも、資料請求の際にはまず「社内生成AI利用ガイドラインの雛形」をお渡しします。製品より先に、線引きの一枚を作っていただくためです。
よくある質問
社員が個人で ChatGPT を使っている会社に、社内AIアシスタントは必要か
入れてよい情報の線引きが無い状態なら、まず線引きを決めるのが先です。その線引きの中で、自社の文書を根拠に成果物を作りたいなら、社内AIアシスタントが要ります。個人利用のままでは、根拠と学習の条件を会社が管理できません。
5人の会社でも導入できるか
できます。5人でも。当社の PalAssistant Standard は5名から、初期費用0円、参考価格で1人・月2,800円です。
社内の文書の渡し方
就業規則、過去の見積書、議事録、マニュアルなど、社員が業務で参照している文書をそのまま登録します。誰が最新版を保つかを先に決めておくと、古い文書を根拠にした回答が出るのを防げます。
入力した情報は AI の学習に使われるか
PalAssistant では使われません。他の製品を選ぶ場合も、利用規約や契約書に明記されているかと、自社の使う経路がその条件の範囲に入るかを確かめてください。
ガイドラインは自社で作らないといけないか
雛形をそのまま使えます。当社が公開している「社内生成AI利用ガイドラインの雛形」に自社名と責任者を入れれば、A4一枚の線引きができます。
次の一歩
線引きの一枚を先に作ってから、製品を見てください。雛形はそのまま自社の名前を入れて使えます。
参考資料
※価格は2026年9月時点の参考価格で、確定価格ではありません。調査の数値は商工中金の公表資料から引用しています。

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