2026.10.16

management

会社のセキュリティ対策の最初の3つは、使い回し禁止と多要素認証と不審連絡

「セキュリティ対策が大事なのは分かるが、何から始めるのか」という場面は多いものです。製品を比べ始めると、費用も種類も多くて決められなくなります。この記事では、会社として最初に決める3つの対策を、決める順に説明します。2026年10月時点の、弊社の判断です。

答えは次の3つです。パスワードの使い回しをやめること、多要素認証を使うこと、不審なメールやSNSの連絡に注意することです。どれも高い機器や大きな予算は要りません。社員全員で守ることを、経営者が決めるだけで始められます。

最初に3つへ絞る理由

対策は数え切れないほどあります。全部を同時に始めると、どれも中途半端になります。

最初は、1人の不注意が会社全体に広がる入口をふさぎます。

  • 入口になりやすいもの
  • 使い回したパスワードが他のサービスから漏れる
  • パスワードだけでログインできてしまう
  • 偽のメールやメッセージで、本物そっくりの画面に入力させられる
  • 3つの対策は、この3つの入口に1つずつ対応している
  • 社員の誰か1人でも守らないと、そこが弱い場所になる
  • だから「担当者が気をつける」ではなく「会社として決める」ことが必要になる

対策1 パスワードの使い回しをやめる

使い回しとは、複数のサービスで同じパスワードを使うことです。1つのサービスからパスワードが漏れると、他のサービスにも同じ組み合わせで入られます。

会社として決めることは次のとおりです。

  • 業務で使うサービスごとに、別のパスワードにする
  • 個人で使うサービスと同じものも使わない
  • 覚えきれないので、パスワード管理ツールを会社として指定する
  • 管理ツールとは、パスワードを安全に保管し、入力まで助けるソフトのこと
  • 社員に「覚えてください」と求めるだけでは、使い回しはなくなりません
  • 退職した人のアカウントを、すぐ止める手順を決める

「使い回しは禁止です」と通達するだけでは、守られたかどうかが分かりません。守られているかを確かめる方法まで、一緒に決めます。

対策2 多要素認証を使う

多要素認証とは、パスワードに別の確認を重ねる方法です。スマートフォンに届く番号を入れる方法などがあります。パスワードが漏れても、別の確認ができないので、他人は入れません。

会社としては、どのサービスで必須にするかを決めます。

  • 最初に必須にするもの
  • メールのアカウント
  • ファイルを保管しているサービス
  • 会計や給与など、お金に関わるサービス
  • 理由
  • メールが乗っ取られると、他のサービスのパスワード再設定にも使われる
  • 影響が大きい場所から先に守ると、少ない手間で効果が出る

社員から「ログインが面倒になる」と声が出ても、経営者が「会社の決まりです」とはっきり伝えます。現場の判断に任せると、守る人と守らない人に分かれます。

対策3 不審な連絡に注意する

不審な連絡とは、送り主をよそおったメールやSNSのメッセージのことです。リンクを押させたり、パスワードを入力させたりします。人の注意に頼る対策なので、注意の仕方を会社で決めて教えておきます。

  • 迷ったときの行動を1つにそろえる
  • リンクを押す前に、送り主とは別の方法で本物か確かめる
  • 例えば、電話や社内のチャットで本人に聞く
  • 報告先を1か所に決める
  • 押してしまったときに、すぐ言える相手と方法を決めておく
  • 報告した人を責めないと、経営者から先に伝える

押してしまった人を責める会社では、報告が遅れます。遅れるほど被害は広がります。報告を歓迎する姿勢を、経営者が先に示すことが対策の一部です。

今月中に全員分を点検する

3つの対策は、決めただけでは終わりません。まず社員全員の分を、今月中に点検すると決めます。

点検の進め方は次のとおりです。

  1. 業務で使うサービスの一覧を作る
  2. サービスごとに、パスワードの使い回しがないかを本人に確かめる
  3. 多要素認証が入っているかを、サービスの設定画面で確かめる
  4. 不審な連絡を受けたときの報告先を、全員に伝える
  5. 点検の結果と、直した日付を記録に残す

記録に残すと、次の点検で何が変わったかが分かります。数字で成果を示せなくても、確かめた事実が残ります。

自社だけで決めにくいとき

担当の社員がいない会社では、どのサービスを必須にするかを決めること自体が負担になります。外へ頼む範囲の考え方は、情報システム担当がいない会社のIT体制の作り方と外に頼む範囲に書いています。

攻撃の種類を先に知りたい方は、逆にサーバー攻撃ってどんな種類があるのかも読んでください。

3つの対策の決め方や点検の進め方を相談しながら進めたいときは、弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスク(月10万円・税別)が使えます。初期費用は無く、人数の上限もありません。月2回、オンラインで30分の定例があり、その場で点検の状況を一緒に確認できます。選択肢の1つとして考えてください。

経営者が決めること

3つの対策は、技術の問題に見えて、実は会社の決めごとです。経営者がやることは次のとおりです。

  • 3つの対策を、全社員が守る決まりにすると宣言する
  • 点検の期日を、今月中と日付で決める
  • 報告した人を責めないと、先に伝える

どの対策も、決めて、確かめて、記録するところまでが対策です。まず今月中の点検を決めるところから始めてください。

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