2026.10.11

management

生成AIの導入効果は導入前に測る項目を決め、導入後に比べて測る

生成AIの導入効果は、導入する前に測る項目を決め、導入後に同じ項目を同じ方法で測って比べると分かります。株式会社ストリックランド(京都市)が会社の側から見るときも、順番は変わりません。先に決めるのは、使う道具ではなくて、何を数えるかです。この記事では、導入前に何を決め、どう記録し、導入後にどう比べるかを順に説明します。

導入効果は、何と何を比べれば分かるのか

比べるのは、同じ仕事の導入前と導入後です。仕事の中身が変わると、数字が変わっても理由が分かりません。

ここでいう効果は、お金の話だけではありません。次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。

  • 仕事のやり方の変化。かかる時間や、やり直しの回数が当てはまります。
  • 結果の変化。お客様への返事の早さや、書類の間違いの少なさが当てはまります。

まず前者を測ります。後者は、前者が動いたあとで見ると、原因を追いやすくなります。

導入前に決めておく項目は何か

導入前に、測る項目を最大でも4つに絞ります。多すぎると記録が続かないからです。

  • 業務1件にかかる時間。たとえば、議事録を1回分まとめる時間です。
  • 手戻りの回数。上司の確認でやり直しになった回数を数えます。
  • 1件を仕上げる人数。確認や修正に何人が関わったかを記録します。
  • 担当者の感じ方。「楽になったか」を5段階で聞きます。

数字にしにくい項目は、5段階の点数にします。点数の付け方は、導入前と導入後で変えないでください。

導入前の数字は、どう集めればよいのか

集め方は、次の手順で進めます。

  1. 対象の業務を1つ選びます。最初から全部の業務を測ろうとしないでください。
  2. その業務の「1件」が何を指すかを、文章で決めます。「議事録1本」「見積書1通」のようにします。
  3. 担当者に、1件ごとの開始時間と終了時間を書いてもらいます。
  4. 手戻りが起きたら、その日付と理由を1行で残します。
  5. 一定の期間、同じ方法で記録を続けます。仕事に波がある場合は、忙しい週とそうでない週の両方を入れます。

記録は表計算ソフトの1枚で足ります。担当者の負担が大きいと、記録が止まります。書く項目は少なくします。

導入後は、何をそろえて比べるのか

導入後は、導入前と同じ項目を同じ方法で測ります。そろえるものは次のとおりです。

  • 対象の業務と、「1件」の決め方
  • 記録する人と、記録の書き方
  • 比べる期間の長さと、忙しさの波

比べるときは、平均だけを見ないでください。1件ごとの記録を並べて、極端に長い件がないかも見ます。

導入した直後は、AIの使い方に慣れていないため、時間が増えることがあります。使い方が落ち着くまで待ってから、比べる期間を決めます。慣れるまでの期間は、最初に担当者と話して決めておきます。

数字が良くなっても、それだけで成功と言えないのはなぜか

時間が短くなっても、手戻りが増えていれば、効果は小さいかもしれません。AIが書いた文章を人が直す時間が、増えている場合があるからです。

そこで、時間と手戻りの回数は必ず一緒に見ます。片方だけが良くなったときは、理由を担当者に聞きます。数字の裏にある事情は、記録だけでは分かりません。

また、2026年10月時点で、導入効果の測り方に全社で決まった型はありません。業務ごとに項目を決める前提で進めてください。

全社に広げる前に、何を決めておくのか

測る仕組みは、広げる前に社内で決めます。決めることは次のとおりです。

  • 誰が記録を集めるか
  • どの頻度で結果を見直すか
  • 効果が小さかったとき、続けるか止めるかを誰が決めるか

止める基準を先に決めておくと、数字が悪かったときに慌てません。導入の進め方そのものについては、中小企業が社内AIアシスタントを入れる前に決める3つのことにまとめています。利用ルールを先に作りたい場合は、社内生成AIガイドラインの作り方。A4一枚で足りる理由が参考になります。

弊社には、月10万円(税別)の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクがあります。測る項目の決め方を相談したい場合は、この枠で扱えます。

よくある質問

導入前の記録は、どのくらいの期間が必要ですか。

業務の波を含められる長さが目安です。毎週同じ量の仕事なら短くて済みます。月末に集中する仕事なら、月をまたいで記録します。期間は業務ごとに決めてください。

時間が短くならなかったときは、失敗ですか。

失敗とは言い切れません。時間は同じでも、手戻りが減っているかもしれません。担当者の感じ方も合わせて見ます。それでも変化がなければ、使う場面を変えることを考えます。

記録を担当者に頼むのが難しいときは、どうすればよいですか。

記録する項目を2つまで減らします。1件ごとの終了時間と、手戻りの有無だけでも比べられます。負担を減らすほうが、記録は続きます。

数字にしにくい仕事は、どう測りますか。

5段階の点数で測ります。たとえば「確認に迷った回数」を数える方法もあります。点数の付け方を導入前後で変えないことが、いちばん大切です。

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