2026.10.29

management

点数をつける前に、外せない条件を紙に書いて案を外すと決める

案を点数で比べると、合計がいちばん高い案に決まります。ところが決めたあとで、その案が法令に合わないと分かることがあります。この記事で扱うのは、点数をつける前に、必ず満たす条件で案を外すことを会社としてどう決めるかです。

弊社の答えは、点数をつける前に外せない条件を紙に書き、満たさない案をその場で外すと決めることです。この外し方を足切りと呼びます。足切りを通った案だけに点数をつけて比べる、という順番です。ストリックランドは、システムの開発や導入を相談される会社として、この順番を勧めています。

点数だけで選ぶと起きること

必須の条件と、あれば良い条件を同じ表に並べて点数をつけると、高い点が低い点を補います。

たとえば、5つの項目を10点満点で採点するとします。A案は合計42点で、B案は合計38点です。A案は、個人情報を国内に置くという条件だけが満たせていません。それでも合計が高いので、A案が選ばれます。

条件が1つ欠けていても、ほかの項目の点で埋まってしまうからです。この結果は、点数の付け方を直しても防げません。足切りは、点数とは別の段階で決める必要があります。

外せない条件にする基準

どの条件を必須にするかは、次の3つで決めます。

  • 満たさないと、業務や法令で重大な問題が出る
  • 後から補えない
  • 責任者が外せないと言った

1つ目は、止まると仕事が回らない条件や、守らないと違反になる条件です。2つ目は、導入したあとに足せない条件です。あとで足せるものは必須にせず、点数の項目に回します。3つ目は、最終的に責任を持つ人の判断です。責任者が外せないと言った条件は、理由を聞く前に紙へ書きます。

3つの基準は、会社の外から見ても説明できるものを選んでいます。「重大な問題が出るか」「後から補えるか」「責任者が外せないと言ったか」は、どれも事実で答えられるからです。好みや気分では、足切りの条件になりません。

この3つのどれにも当たらない条件は、必須にしません。必須を増やしすぎると、案が1つも残らなくなるからです。

弊社が足切りにしている例

2026年10月時点で、弊社には記事を出す前の決まりがあります。人が読んで分かる言葉かを確かめる、というものです。

この確認を通らない記事は、内容がどれほど良くても出しません。内容の点数が高いことで、読みにくさを補わないためです。足切りの条件は、このように短い一文で書けて、満たしたかどうかを後から確かめられる形にします。

足切りで外した案を残す

外した案は、捨てずに紙の下に残します。外した理由を、どの条件に当たったかで1行書きます。

たとえば「個人情報を国内に置けない」と書いておけば、条件が変わったときに見直せます。法令や取引先の要望が変わると、外れていた案が戻ってくることがあります。理由が残っていなければ、最初の作業は、なぜ外したのかを思い出すことです。

また、足切りで案が1つも残らないこともあります。その場合は、案を足すか、条件の方を見直すかのどちらかです。条件を見直すときは、責任者に3つの基準へ当てはめ直してもらい、外せない理由が変わったかを聞きます。点数を甘くして通すことは、しません。

足切りと点数の分け方

足切りは、はい・いいえで答えられる条件だけにします。会議で意見が割れたときも、条件に当たるかどうかだけを確かめれば済みます。「ある程度安全」のような言い方では、案を外せません。「個人情報を国内に置く」のように、満たしたかを確かめられる文にします。

点数で比べるのは、足切りを通った案だけです。そこで初めて、価格や使いやすさのような、程度の差がある項目に重みをつけます。

重みの決め方については、AIの合格の基準は人が決めて文章に書くでも、基準を人が文章にする理由を書いています。足切りの条件も同じで、決める人と書く場所を先に決めておきます。

明日できる最初の一手

明日、比べる案を並べる前に、外せない条件を紙に書き出してください。先ほどの3つの基準に当てはめ、当たるものだけを残します。

書き出しにかかる時間は10分ほどです。そのあと、責任者に「この中に、外してはいけないものはありますか」と1回だけ聞きます。責任者の答えで増えた条件は、理由と一緒に同じ紙に足します。

この紙ができれば、点数をつける場面で「合計は高いが条件を満たしていない」案を、迷わず外せます。会社に足切りが要る理由は、決めた人が替わっても、同じ理由で同じ案が外れるからです。理由が紙に残っていれば、後から選び直すときも、外した根拠を説明できます。

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