2026.10.17
management
AIにできない作業は、人の手順とルールを会社で決めて補う
AIを入れたあとに、「この作業はAIに任せて大丈夫か」と迷う場面があります。AIは何でもこなすように見えますが、苦手な作業があります。この記事では、その苦手な作業を会社としてどう補うかを、決める順に説明します。
AIが苦手な作業は、人の手順とルールで補います。株式会社ストリックランド(以下、弊社)は、任せる範囲を設定で決めています。苦手な部分には、人が入る手順を置いています。2026年10月時点の弊社の運用をもとに書きます。業務名や成果の数字は、確かめられないので書きません。
苦手な作業を見つける
最初にやるのは、AIがつまずく作業を見つけることです。AIは、自信のある言い方で間違えることがあります。答えが合っているかを、AI自身は確かめられません。
そこで、仕事を小さく分けて、次の問いを順に当てます。
- 間違えたとき、お客様や社外に影響が出るか
- 間違いに、読んだ人が気づけるか
- やり直しがきくか
1に「はい」で、2か3に「いいえ」が付く作業は、AIだけに任せません。ここが人の手順を置く場所です。
人の手順で補う
人の手順とは、AIの仕事の途中か最後に、人が必ず入る決まりのことです。
弊社には、外へ出す文を公開する前に、人が読む手順があります。読むときの基準は、人間が読んで分かる言葉かどうかです。比喩を使っていないか、専門語に説明が付いているかを見ます。AIが書いた文でも、この手順は省きません。
もう1つ、外へ出る文は、会社として出してよいかを機械の判定で点検します。弊社ではこの判定を Jev と呼んでいます。AIの出力を、別の仕組みと人の目で二重に見る形です。
手順を決めるときは、次の3点を紙に書いておきます。
- 誰が見るか
- 担当者の名前ではなく、役割で書く
- 何を見るか
- 見る項目は、数を絞って先に決める
- 見た結果をどこに残すか
- 次に直すときの材料になる
設定で補う
手順は、守られないことがあります。忙しい日は、確認を飛ばしたくなるからです。そこで、守ってほしいことは、お願いの文ではなく設定で固定します。
弊社では、AIのアカウントができることを、設定で下書きを作ることと読むことだけに絞っています。投稿のボタンは人が押します。
こうしておくと、AIが指示を読み違えても、勝手に外へ出ることがありません。人が入る場所が、手順の約束ではなく、仕組みとして残ります。設定で止められる作業は、設定で止めるほうが確実です。
AIにどこまで任せるかの分け方は、AIエージェントで自動化できる業務と、人が決める業務の分け方にも書きました。
ルールを書いて育てる
苦手な作業の補い方は、一度決めて終わりではありません。使っているうちに、新しい失敗が見つかります。
見つかった失敗は、その場で直すだけでなく、ルールの文に1行足します。足した行が、次から同じ失敗を防ぎます。ルールは短い文で書き、守る人が増えても読み違えない言葉にします。
社内のルールをどこまで細かく書くかは、社内生成AIガイドラインの作り方。A4一枚で足りる理由が参考になります。
ルールを足すときに、次のことを守ると、文が増えすぎません。
- 起きた失敗を1つ書く
- 誰かの名前は書かない
- 次に何をするかを書く
- 「気をつける」ではなく、動作で書く
- 古くなった行は消す
- 今の運用と合わない行が残ると、迷いのもとになる
外の人に頼む範囲
手順とルールを作る時間が取れない会社もあります。社内に情報システムの担当者がいなければ、なおさらです。
そのときは、決めること自体を外の人と一緒にやる方法があります。弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクは、月10万円(税別)で、初期費用はありません。月2回、オンラインで30分の定例があり、人数の上限はありません。AIに任せる範囲や、人が確かめる場所を相談する場として使えます。
ただし、外の人が決めてくれるわけではありません。何を人が確かめるかは、その仕事を知っている社内の人が決めます。外の人は、決めるための問いを出し、決めた内容を文に整える役です。
決める順番のまとめ
AIにできない作業は、次の順で補います。
- 仕事を小さく分け、AIだけに任せない作業を見つける
- 人が入る手順を置き、見る項目を先に決める
- 止められる作業は、設定で止める
- 失敗が見つかるたびに、ルールへ1行足す
どれも、特別な道具を要りません。まず1つの作業を選び、誰がどこで確かめるかを1文で書くところから始められます。

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