2026.11.01
management
AIに仕事を頼む前の取り組む理由の1行を、会社の決まりにする
AIに仕事を頼むと、数分でそれらしい成果物が返ってきます。ところが読んでみると頼んだ人の意図とずれていて、結局やり直しになることも少なくありません。この記事では、頼む前に決めておくことと、それを会社の決まりにする方法を説明します。
答えは、AIに頼む前に、取り組む理由を1行書くことを会社の決まりにする、です。株式会社ストリックランドは、この1行を依頼文の一番上に置くのがよいと考えています。理由は、AIが速く作るほど、目的のあいまいさがそのまま成果物に出るからです。
AIが速いと、理由の弱さが目立つ
ある記事の筆者は、AIが「どうやるか」を速く具体化すると言います。だから、取り組む理由と実現したいことの質が、成果を決めると考えています。ただし、その記事に測定した数字はありません。一人の見立てとして読むのが正確です。
人が手で作る仕事なら、作る途中で「そもそも何のためだったか」と気づく時間があります。AIは、その時間を待たずに完成品を出します。
たとえば「お客様向けの案内文を作って」とだけ頼んだとします。返ってくるのは、丁寧で長い案内文でしょう。しかし本当の目的が、問い合わせの電話を減らすことだったとします。その場合に要るのは、長い案内文ではなくて、手順を書いた短い1枚かもしれません。AIは頼まれたとおりに作っただけなので、AIを責めても直りません。
1行に書くこと
書くのは、誰のどんな状態を変えるために、この仕事をするのか、です。たとえば「新人が初日に迷わないよう、最初の1週間の動きを1枚にまとめる」と書きます。
書くことと書かないことを分けると、次のようになります。
- 書くこと
- 誰が困っていて、何が変わるとよいか
- この仕事が終わったとき、何を見て決めるか
- 書かないこと
- 使うAIの名前や、作り方の手順
- 「効率化のため」のように、どの仕事にも当てはまる言葉
道具の名前や手順は、理由ではなくて手段です。手段だけが書いてあると、目的が合っているかを誰も確かめられません。
弊社が公開前に確かめていること
弊社は、公開する文章について、人間が読んで分かる言葉かを確かめると決めています。比喩を使わないこと、専門語は初めて出たところで説明することが、その確認の中身です。
この確認が成り立つのは、誰に何を分かってもらう文章かが先に決まっているからです。理由が決まっていない文章では、分かるかどうかを見る相手も決まりません。取り組む理由の1行は、あとで成果物を見直すときの、確認の基準にもなります。
AIの出したものを確かめる側の話は、弊社の別の記事にもあります。AIの合格の基準は人が決めて文章に書くでは、合格の基準を誰が決めるかを書きました。AIへの頼み方で弱点は減るが、ゼロにはならず別の人が確かめるもあわせて読めます。この記事は、頼む人ではなく、決める会社の側から書いています。
会社の決まりにする理由
個人の工夫にとどめず会社の決まりにする理由は、2つあります。
1つ目は、成果物を直す人が、理由の1行に照らして直せるからです。1行がないと、直す人ごとに「こちらのほうがよい」の基準が違ってしまいます。直す側の迷いが減り、頼んだ人との食い違いも早く見つかります。
2つ目は、1行が書けない仕事を早く見つけられるからです。理由が書けない仕事は、AIに頼む前に、人が考える仕事です。AIが速い分、不要な仕事を速く作ってしまう損も大きくなります。
明日できること
明日AIに頼む予定の仕事で試すなら、手順は、仕事を1つ選び、依頼文の一番上に「理由」と書いて1行入れて頼み、返ってきた成果物をその1行と見比べるだけです。書けなければ、頼む前に依頼元へ理由を聞きます。
見比べて意図とずれていたら、AIの答えを直す前に、1行のほうが合っていたかを見ます。理由の書き方があいまいだったなら、1行を書き直してから頼み直します。
まず1つのチームで試す
この考え方は、一人の経験にもとづいています。他の会社の仕事に当てはまるかは分かりません。2026年10月時点で、効果を示す測定した数字は、弊社にもありません。
そのため、会社全体で決める前に、まず1つのチームで試します。しばらく使ったあとで、やり直しが減ったか、成果物が意図に合っていたかをチームの人に聞きます。結果を見てから、他のチームへ広げてください。

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