2026.10.12
management
社内の問い合わせをAIで減らす方法と、導入前に会社で決める3つのこと
社内の問い合わせ(ヘルプデスク)をAIで減らすには、入れる前に3つを会社として決めます。減らせる問い合わせの種類と、元にするよくある質問と、答えられないときの引き継ぎ先です。株式会社ストリックランドは、この順番で進めることを勧めています。この記事では、2026年10月時点の考え方として、この3つの決め方を説明します。
社内の問い合わせのうち、AIで減らせるのはどの種類ですか
減らしやすいのは、答えが決まっていて、何度も同じ形で届く問い合わせです。たとえば、次のようなものです。
- パスワードの再設定の手順を知りたい
- 経費精算や勤怠の入力方法を知りたい
- 社内ツールの使い方や申請の場所を知りたい
- 就業規則や社内ルールの該当箇所を知りたい
反対に、AIに任せにくいものがあります。
- 人によって答えが変わる判断(例外の承認など)
- 機器の故障や、アカウントの乗っ取りが疑われるような緊急の案件
- 個人の評価や人事に関わる相談
最初にやることは、過去の問い合わせを読み、この2つに分ける作業です。件数の多い順に並べ、上から「答えが決まっているか」を確かめます。決めるのは担当者ではなく、会社の方針です。
元にするよくある質問は、どう整理すればよいですか
AIの答えの質は、元にする文書の質で決まります。AIが賢くても、古い手順書を読ませれば、古い手順を答えます。整理の手順は次のとおりです。
- 問い合わせの履歴から、よく届く質問を選ぶ
- 質問ごとに、正しい答えを1つだけ決める
- 答えを書いた文書に、更新日と直す担当者を付ける
- 同じ内容の古い文書を消すか、使わないと決める
- 手順が変わったときに、誰が文書を直すかを決める
特に手順5が抜けやすいところです。直す担当者がいない文書は、数か月で古くなります。AIを入れたあとに増える答えの修正も、先に会社として受け入れます。
文書の置き場も決めます。どんな仕組みを使う場合も、読ませてよい資料と読ませない資料を分けておきます。この考え方は、中小企業が社内AIアシスタントを入れる前に決める3つのことにも書きました。
AIの答えが正しいと、どうやって確かめますか
AIは、もっともらしい間違いを答えることがあります。そこで、答えに根拠を付ける決まりを作ります。
- 答えのあとに、元にした文書の名前と更新日を表示する
- 元の文書に答えが無いときは、推測で答えず「分かりません」と返す
- 手順を答えるときは、手順を書いた文書の該当箇所を示す
「分かりません」と返してよいと決めておくことが大切です。答えられないのに答えさせると、間違った手順で作業が進みます。
あわせて、AIに何を読ませてよいかも決めます。社員の個人情報や契約の中身を読ませるかは、情報の扱いのルールで決めます。社内のルール作りは、社内生成AIガイドラインの作り方。A4一枚で足りる理由が参考になります。
AIが答えられないとき、人にどう引き継ぎますか
問い合わせを減らす目的は、人の仕事をなくすことではありません。人が判断する問い合わせに、時間を使えるようにすることです。そのために、引き継ぎの決まりを先に作ります。
- 引き継ぎの条件を決める(「分かりません」と返した、社員が人を希望した、緊急の言葉が入っている)
- 引き継ぎ先を決める(誰が、何時から何時まで受けるのか)
- 引き継ぐときに、社員の質問とAIの答えを一緒に渡す
- 引き継いだ件を月に一度見直し、よくある質問に加えるか決める
3つ目が大切です。社員がもう一度、同じ説明をしなくて済みます。4つ目を続けると、AIが答えられる範囲が少しずつ広がります。
情報システムの担当者が少ない会社では、引き継ぎ先そのものが足りないことがあります。その場合は、外部に相談する方法もあります。弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスクは、月10万円(税別)です。初期費用は無く、人数の上限もありません。月2回の定例(30分、オンライン)があり、受付は24時間です。担当の対応は9〜19時で、土日も行います。AIで減らす前の整理から、一緒に進めることもできます。
何から始めればよいですか
小さく始めて、決めたことを書き残します。進め方は次のとおりです。
- 過去の問い合わせを読み、答えが決まっているものを1種類選ぶ
- その1種類だけの、よくある質問を整理する
- 根拠の見せ方と、引き継ぎの条件を決める
- 一部の部署で試し、引き継いだ件を見る
- 結果を見て、対象の種類を増やすか決める
一度に全部の問い合わせを対象にしないことが、止まらずに続けるコツです。決める人も、あらかじめ1人決めておきます。
よくある質問
社内の問い合わせは、AIでどのくらい減りますか
減る割合は会社によって違い、弊社が示せる数字はありません。まず過去の問い合わせを種類で分けると、減らせる種類の多さが分かります。答えが決まっている質問が多い会社ほど、減りやすいです。
情報システムの担当者がいなくても導入できますか
導入はできますが、よくある質問を直す担当者と、引き継ぎ先は必要です。担当者が1人もいないと、答えが古くなっても誰も直しません。兼任でもよいので、名前を決めておきます。
AIが間違った答えを返したときは、誰の責任になりますか
責任の置き方は、会社として先に決めておく必要があります。答えに根拠を付け、重要な手続きは人が確認する決まりにすると、間違いに気づきやすいです。決まりは、社内のガイドラインに書いておきます。
無料のAIチャットに、社内の質問をそのまま入れてもよいですか
社員が個人の判断で入れるのは、勧めません。社内の資料や個人の情報が、会社の管理の外に出るおそれがあるためです。どのAIを使ってよいか、何を入れてよいかを、先に決めてください。

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