2026.10.28
management
AIに批判役を頼むときは、口調でなく点検の作業を指定すると決める
AIに「厳しい批判役になって」と頼む使い方が広まっています。ただ、会社として使ってよいのか、どう頼むと決めればよいのか、迷う場面もあります。この記事は、批判役の頼み方を会社でどう決めるかの説明です。
結論から言うと、口調を指定する頼み方はやめて、点検の作業を指定する頼み方に決めるのがよいです。厳しい口調にしても、AIが読む箇所や調べ方は変わらず、会話の調子が変わるだけだからです。なお、2026年10月時点の考え方として書いています。
口調を決めても中身は変わらない
「辛口の評論家になって」と頼むと、AIは言葉づかいを辛口にします。しかし、報告書のどこを読み、何と照らし合わせるかは、頼む前と同じままです。
そのため、きつい言葉が並んでも、弱点が見つかったとは限りません。見つかったように見えるだけで、会社の判断に使える材料にはなりにくいのです。
一方で、批判役が実際にやる作業を頼むと、AIの動きが変わります。たとえば、厳しい投資家の口調で書かせるのではなく、投資家が会社を調べるときの作業をさせます。
会社で決めること
決めるのは、批判を頼むときの書き方の型です。型は短くして、頼む人がすぐ写せる形にします。次の2点を型に入れます。
- 点検の作業
- 数字と本文が合っているかを、1つずつ照らし合わせる
- 根拠が書かれていない主張を、一覧にして出す
- 前の月の資料と食い違う所を、箇所ごとに出す
- 出してもらう形
- 見つけた弱点を、報告書の箇所とセットで並べる
- 直す案は、人が決めるまで出さない
役を演じさせる言い方は、禁止まではしなくてかまいません。ただし、役の名前だけで頼むことは、会社の頼み方としては認めないと決めます。
なぜ会社で決めておくのか
理由は3つあります。頼む人によって返ってくる点検の質が変わるのを防ぐため、厳しい言葉が出たことで点検が済んだと思い込むのを防ぐため、後から同じ点検をやり直せるようにするためです。
頼み方が人によってばらばらだと、前回の点検と今回の点検を比べられません。作業を書いた型があれば、担当が替わっても同じ点検をやり直せます。
とくに2つ目は大事です。口調が厳しいと、読む人は「しっかり見てもらった」と感じます。感じるだけで、見た範囲は分かりません。作業を書いておけば、何を見て何を見ていないかが、文章で残ります。
弊社の点検の作業
弊社では、記事を公開する前に、人間が読んで分かる言葉かを確かめる作業を決めています。比喩を使っていないか、専門語に初出で説明があるかを見ます。
ここでも、見る人に「厳しく読んで」とは頼みません。何を確かめるかを作業として決めているので、読む人が変わっても、見る点は変わりません。批判役をAIに頼むときも、同じ考え方で型にしています。
明日できる次の一手
明日、報告書を1本選んでください。そして、批判役の口調ではなく、点検の作業を3行で書いてAIに頼みます。
- 直近の報告書を1本選ぶ
- 「数字と本文を照らし合わせる」のような点検の作業を3行書く
- 見つけた弱点を、箇所とセットで出すよう頼む
- 出てきた弱点を、書いた人が1つずつ確かめる
最後の確認は、人が行います。AIの指摘が正しいかどうかも、AIに判定させないでください。判定の置き場所については、AIの合格の基準は人が決めて文章に書くで書いています。
頼む前に気をつけること
批判役に渡す資料は、会社の決まりで渡してよいものに限ります。社外に出せない情報を含む資料は、点検の作業を決める前に、AIに入れてよいかを先に確かめます。
また、点検の作業は、1回に1種類にします。数字の照合と、言葉づかいの確認を同時に頼むと、どちらも浅くなりやすいからです。作業ごとに頼みを分けると、結果も読みやすくなります。
型にして共有する
うまくいった頼み方は、会社の共有の場所に1つ置きます。次に頼む人は、その型をそのまま使います。
型に入れる項目は、点検の作業、出してもらう形、人が確かめる担当の3つで足ります。細かく作り込むと、使われなくなります。
AIへの頼み方を変えても、弱点がゼロにはならない点は、AIへの頼み方で弱点は減るが、ゼロにはならず別の人が確かめるでも触れました。決め方の整理が難しければ、弊社の顧問型ITコンサルで相談できます。

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