2026.10.16
management
決まりが食い違ったら、どちらに従うかは親の決まりと先に書いておく
社内の決まりが増えると、2つの決まりが違うことを言い出す場面が出てきます。全社の決まりには「この文体で書く」とあり、部署の決まりには別の書き方が載っている、といった場面です。そのとき現場の人は、どちらに従うかを自分で決めることになります。この記事では、決まりが食い違ったときの従い方を会社としてどう決めるかを、弊社が2026年10月に実際に直した例で説明します。
答えは、食い違ったときに従う側を、あらかじめ文章で1行決めておくことです。弊社は2026年10月15日、媒体ごとの決まりを書いたファイルを書き直し、冒頭に「親の決まりと食い違ったら、親に従う」と書きました。ここでいう親は、会社全体の決まりを書いたファイルです。媒体ごとのファイルは、その下にあたります。
順番がないと起きること
食い違いが見つかったとき、順番が決まっていないと、見つけた人がその場で選びます。
- 選ぶ人によって結果が変わる
- Aさんは全社の決まりに従い、Bさんは部署の決まりに従う
- 同じ仕事なのに、出てくるものがそろわない
- 選んだ理由が残らない
- あとから見ても、なぜそうしたのかが分からない
- 直すべき決まりがどちらなのかも分からないまま残る
AIに仕事を任せている場合も同じです。AIは書かれた決まりを読んで動くので、2つの決まりが違うことを言っていれば、どちらを選ぶかが毎回ぶれる可能性があります。
弊社が冒頭に1行置いた
弊社の媒体ごとの決まりのファイルには、その媒体だけに当てはまることを短く書きます。全社に共通する決まりは、そちらのファイルに任せます。
そのうえで、各ファイルの冒頭に次の1行を置きました。
- 親の決まりと食い違ったら、親に従う
- 食い違いを見つけた人は、迷わず全社の決まりを選べる
- 下のファイルに書いてあることが古くても、全社の決まりが優先される
順番を決めるときに大事なのは、どちらが偉いかではありません。広く当てはまる決まりのほうが、直されるときに全体を見て直される、という点です。個別の決まりは、その場の事情に合わせて足されやすく、全体との整合が取られないまま残ることがあります。
下の決まりには、その場だけの内容を書く
食い違いの多くは、下の決まりに全社の決まりと同じ話を書き写したところから生まれます。全社の決まりが変わったとき、写したほうだけが古いまま残るからです。
そこで弊社は、下のファイルから共通の話を減らしました。
- 残すもの
- その媒体だけに当てはまる決まり
- 親のファイルを読めば分かることは書かない
- 減らすもの
- 親のファイルと同じ内容の書き写し
書いていない内容は、食い違いようがありません。順番を決めることと、重複を減らすことは、片方だけでは足りず、合わせて効きます。
古い経緯と使っていない手順は消す
弊社は同じ日に、日付つきの経緯や、使っていない出し方もファイルから消しました。
経緯は、決まりができた理由として残したくなります。ただ、決まりを読む人が知りたいのは、今どうするかです。使っていない手順が残っていると、読む人は「これは今も有効なのか」と迷います。その迷いが、食い違いを見つけたときの判断をさらに難しくします。
経緯を残したい場合は、決まりのファイルとは別の場所に置くほうが読みやすくなります。決まりのファイルには、今従う内容だけを置きます。
会社で決めるときの手順
自社で同じことをするなら、次の順に進めます。
- 決まりを書いた文書を、全部並べる
- 全社の決まりと、部署や仕事ごとの決まりを分けて数える
- どれが親にあたるかを決める
- 広い範囲に当てはまる決まりを親にする
- 下の文書の冒頭に、食い違ったら親に従うと1行書く
- 下の文書から、親と同じ内容の部分を消す
- 日付つきの経緯と、使っていない手順を消す
最後に、実際に食い違いが見つかったとき、どちらに従ったかを親の決まりに反映するか、下の決まりを直すかを、その場で決めます。決めないままだと、同じ食い違いが何度も起きます。
2026年10月時点で、弊社はこの形で運用しています。決まりの整理は一度で終わらず、新しい決まりが足されるたびに見直しが必要です。冒頭の1行があれば、見直しが間に合っていない間も、現場は迷わずに動けます。
決まりの置き場所や順番を、社内でどう整えるかを相談したい場合は、弊社の顧問型ITコンサル&ヘルプデスク(月10万円、税別)でも扱えます。まずは、社内の決まりの文書を一覧にするところから始められます。
決まりを書いた文書の作り方そのものは、社内生成AIガイドラインの作り方。A4一枚で足りる理由にまとめています。

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